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nin−pooh日記
nin−pooh*コラム


■■“子供”という存在に対して

私たち夫婦はこれまで『子供が欲しい』という感覚を持っていませんでした。
二人共決して子供が好きではないし、
二人で過ごす自由な時間や空間が無くなる事を恐れていました。
実際、二人の仕事を中心とした生活環境の中で
子供を持つことは不可能でしたし、
それを敢えて壊す勇気もありませんでした。
子供が出来たら困る!とさえ真剣に思っていた程です。


■■気持ちの変化

不思議なものですね。
36歳を過ぎた頃から、私の中の何かが
『子供はいないくてもいい。けれど本当にそれでいいのか?』
と問うて来るようになりました。
今までに無い感覚に自分でも驚きました。
思うに、それは体からの悲鳴だったのかもしれません。
また、「子供はいなくていい。」と言っていたダンナも、
いつしか「いてもいいかも。」との前向きな発言をするようになっていました。
これまで常に避妊をしていたから、不妊症かどうかもわかりませんが
基礎体温は結婚前からつけているので、少なくとも排卵していることはわかります。
「女」として「女の機能」を試すことなく、
自らのわがままでそれを放棄してしまってもいいのだろうか?
自分の中の問はそこまで来ました。
そして出した結論が
『産まない決意』『産む勇気』よりずっと重いかもしれない。=
だったのです。
【子供が欲しい】というより【夫婦二人から次の段階へのステップ】
と捕らえて『産む勇気』を選択し、
二人の年齢や生活・環境から、今がギリギリの時期だと考えました。
結婚5年目にしてようやくの決心です。


■■計画妊娠

2月〜5月までの花粉症の時期を外し、
大嫌いな真夏の出産を避け、
出来れば年齢が上がらない1月末までの出産を考えました。
この時期を逃したら今年はもう子供は作らない。
来年にするか、あるいはもう本当に子供を持たない人生を歩むか、
そこまで考えました。
結果・・・見事狙った時期に妊娠確立となったのです。
出来なかった訳ではなく、作らなかった子供。
望んでいたわけではなく、覚悟をして臨んだ妊娠。
この違い、わかって頂けるでしょうか?
いっそ“出来ない体”であった方がどんなに楽だったろう・・・
不謹慎にもそう考えていた私には、
「出来て良かったね〜」や「おめでとう!」の言葉は大変重荷であり、
微妙なこの気持ちが伝わらないことでより一層憂鬱になりました。


■■妊娠に対する印象

友人達のほとんどが、2人から3人の子供を産んでいます。
『妊娠も出産も辛くて苦しくてしんどいもの』
『出来れば一生味わいたくない痛み』
『自分の体が別の生命体に巣食われる現象』
『子供の健康(体も心も)の確信が無い大きな不安』

妊娠・出産に対して私はそんな印象を持ち続けていました。
それは今でも変わりません。
実際自分が妊婦になってみて、さらに
『自分の体型がみるみる変化してゆく恐怖』
『自分の意志と体がバラバラに存在する恐怖』

を知ったのです。
さらには『高齢での初産』というリスクが消せません。
『妊娠』『出産』にプラスのイメージが持てないまま
私の妊婦生活が始まります。


■■自覚と責任

それでも、私達夫婦で決めたこと。
妊娠を放棄する程無責任では無いし、
そんな勇気も無い。
出産までの10ヶ月は『親になる為の準備期間』と言われますが
まさにその通りだと感じています。
体も心も、この激変に対応できなくて苦しんだ4ヶ月。
子を持つ責任は夫婦二人にあるのに、
なぜ女性だけが辛く、苦しく、痛い思いをしなければならないのかと
辛くて辛くて1人で泣いた事もあります。
しかし、その時期を乗り越えるとウソのように心が軽くなりました。
もちろん、恐怖が無くなった訳では決してありませんが、
今は心静かに母になる自覚を養い、お腹の中の子供をいとおしく感じています。
思えば私自身・夫自身が、両親や親戚達に温かい愛情を沢山注がれながら
ここまで幸せに育ってきました。
その感謝の気持ちと愛情を今度は自分達が子供に与えてあげる番なのです。


■■現在

現在妊娠25週目。7ヶ月に入った頃です。
妊娠直後からつわりが終わるまでの肉体的・精神的苦痛を除けば、
大きなトラブルも無く、順調に進んでいます。
私も子供も出産という最大の難関を無事に乗り切れて初めて、
本当の“よろこび”を味わえると思っています。
予定日は1月中旬。
今はその“母子共無事に出産を終える”ことを願いながら、
多分、もう経験しないであろう『妊婦』という貴重な体験を
日々大切に心に留めておこうと考えているところです。

どうか静かに見守っていてください。
そして無事に出産を終えられた暁には
一緒によろこんで頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。



2004年10月11日
ぱたぱた 拝



●妊娠してからの体や心の変化を自分の記録として日記に留めています。
とても個人的な内容ですが、もしご興味がありましたらご覧下さい。
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●妊娠してから感じたさまざまなことをコラムとして簡単にまとめています。
とても個人的な考えですが、もしご興味がありましたらご覧下さい。
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