2005年4月8日(金)

■■贈り物

   思いも寄らぬ贈り物を頂きました。
出産祝いにと、古い古いお付き合いのある年上の友人から届いたその包み紙には
カードと額縁が入っていました。

 まずカードを拝見。
赤ちゃんの切抜きの入った可愛いカードには彼女からのメッセージが綴られています。
読み進めてゆくうちに、私の心臓は鼓動を早めてゆきました。
送った出産報告ハガキの娘を抱いた私の姿が、亡き母にそっくりだと言う事。
かつて私の母が彼女に贈ったものに今の私への応援が込められていると感じ、それをプレゼントしてくれると言う事。
同封の額縁は、母が生涯の趣味として打ち込んでいたクロスステッチ刺繍の小作品だったのです!

 作品の中に描かれている人物に、乳母車を押している女性の姿があります。
強い雨風に負けまいと必至に乳母車を押しているその姿が、
ママとなった私への亡き母からの励ましだと感じて下さったというのです。
その素敵な感性に感激すると共に、
多分10年以上も前になる母の作品とこんな形で出会えた偶然。
そして何気ないそのモチーフが、今になってこんなに大きな意味を持ってくれたという不思議さと、
やっぱり誰より亡き母に私の娘を見て欲しかった・・・という無念さが
一度に涙となって溢れてきました。

 涙でぐしょぐしょの目で包みを開けると、紛れもなく母の縫ったクロスステッチ刺繍!
どんな思いでこのモチーフを選んだかは、今となっては聞く術もありませんが、
その友人はずっとこの作品を大事に飾っていてくださったのだと思います。
時を経て、今新しいメッセージを含んで私の手許にやってきました。
その不思議な縁は、私の娘が運んでくれたものなのです。
娘が生まれたことによって、友人はこの作品に意味を感じてくださったのです。

 折りしも届いたのは彼岸入りの日。
正に、母がやってきた!と思いました。
そして娘を腕に抱きながらこの素敵な贈り物を開封した時
素晴らしいご縁と贈り物に感激し、
止まらない涙が娘の顔を濡らすのも気にせずに、
それをもたらしてくれた娘の小さな体をぎゅっと抱きしめずにはいられませんでした。

どうもありがとう。


母が生涯の趣味として打ち込んでいたクロスステッチ刺繍。
これはかなり初期の作品かな?
額を含めても18cm四方の小さな作品です。



これが縁をもたらしてくれたモチーフ。
私もこの女性のように子供を守る強い母にならなくては!




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